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2015/1/14

企業情報

マインフェルンブス―長距離バス2位と合併へ―

この記事の要約

独長距離バス最大手のマインフェルンブスと同2位のフリックスブスは7日、合併方針を明らかにした。欧州市場を開拓することが狙いと説明している。独市場は価格競争が厳しく各社は赤字を計上していることから、合併により業界再編を進め […]

独長距離バス最大手のマインフェルンブスと同2位のフリックスブスは7日、合併方針を明らかにした。欧州市場を開拓することが狙いと説明している。独市場は価格競争が厳しく各社は赤字を計上していることから、合併により業界再編を進め価格競争を鎮静化させる狙いもあるとみられる。

ドイツではドイツ鉄道(DB)による長距離路線バス市場の独占が2013年1月付の法改正で廃止された。これを受け大小さまざまな企業が同市場に参入。激しい価格競争が繰り広げられており、すでに撤退や経営破たんに追い込まれた企業もある。

マインフェルンブスはベルリンに本社を置き、従業員数は241人に上る。計88の路線を320台のバスで運行。車両と運転手は提携先のバス会社が提供している。

フリックスブスもマインフェルンブスと同じ事業モデルを展開している。本社はミュンヘンで、従業員数は148人。バスの運行台数は240台、路線数は90に上る。ドイツのほか欧州連合(EU)に加盟する国外8カ国でも事業を行っている。

コンサルティング会社イーゲスの調べによると、運行本数ベースの独市場シェアはマインフェルンブスが46%、フリックスブスが29%で、合計すると75%に達する。また、2014年の乗客数はマインフェルンブスが720万人、フリックスブスが350万人で、独市場全体(約2,000万人)の半分以上を占めた。

合併で成立する新会社は市場シェアで他社を圧倒することになる。ただ、交通市場に占める長距離バスの割合が極めて低いことから、合併計画は独禁法に抵触しないもようだ。