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2015/4/1

経済産業情報

化学業界でベア合意、2.8%引き上げへ

この記事の要約

独化学業界の労使は3月27日、新しい賃金協定を取り決めた。賃金を今春から2.8%引き上げるという内容。ベースアップ幅は金属業界の3.4%を下回るものの、高齢労働者の柔軟な勤務体制などを支えるための基金(デモグラフィー基金 […]

独化学業界の労使は3月27日、新しい賃金協定を取り決めた。賃金を今春から2.8%引き上げるという内容。ベースアップ幅は金属業界の3.4%を下回るものの、高齢労働者の柔軟な勤務体制などを支えるための基金(デモグラフィー基金)の雇用者分担金を大幅に引き上げることでも合意が成立しており、これを踏まえると賃金の上げ幅は小さくない。

ベースアップの時期は地区によって異なり、ノルトライン、ラインラント・ファルツ、ヘッセンは4月1日、ヴェストファーレン、バイエルン、バーデン・ヴュルテンベルク、ニーダーザクセン/ブレーメン、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン/ハンブルクは5月1日、ザールラント、ノルトオスト(ドイツ東部)は6月1日となっている。新協定の有効期間は17カ月。業績不振の企業は賃上げの時期を遅らせることができる。

デモグラフィー基金には現在、従業員1人につき年538ユーロを積み立てることが雇用主に義務づけられている。従来の協定では2016年にこれを338ユーロへと引き下げることになっていたが、今回の協定でこれを同年に550ユーロ、17年には750ユーロへと引き上げることが取り決められた。化学労組IG BCEによると、これは賃金に換算して0.9%の引き上げに相当するという。