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2015/4/15

総合 - ドイツ経済ニュース

フラッキングを制限付き容認へ、政府が法案承認

この記事の要約

ドイツ政府は1日、非在来型天然ガスの採掘に関する法案を了承した。シェールガスの商業採掘を厳しい条件付ながらも容認する内容。法案は連邦議会(下院)で可決されれば、来年1月に施行され、早ければ2019年からシェールガスの商業 […]

ドイツ政府は1日、非在来型天然ガスの採掘に関する法案を了承した。シェールガスの商業採掘を厳しい条件付ながらも容認する内容。法案は連邦議会(下院)で可決されれば、来年1月に施行され、早ければ2019年からシェールガスの商業採掘が始まることになる。ただ、同法案に対しては環境保護団体や野党のほか、与党内でも反対が強く、議会で修正される可能性もある。ドイツにはこれまでフラッキングに関する法規がなかったため、政府は法案を作成した。

頁岩(シェール)層に貯留する天然ガス(シェールガス)はフラッキングという手法で採掘される。化学物質と砂を混ぜた水を高圧で地中に注入してシェール層に割れ目(フラクチャー)を作り、内部にあるガスを抽出する。

低コストで効率よくガスを採取できるメリットがあり、同技術の利用で先行する米国ではガス価格が低下し、産業競争力が今後高まると予想されている。

ただ、地下水汚染などを引き起こすことが懸念されており、独政府は当初、安全性を重視して21年までは禁止する方針を打ち出していた。これに対し経済界から批判が出たため規制方針を軟化。早ければ19年から商業採掘できる方向で法案を調整した。

同法案では、水源保護地区でのフラッキングが全面禁止とされているほか、地下3,000メートル未満でも原則禁止となっている。

商業採掘は新設予定の独立専門家員会が◇試掘の結果が良好◇環境に問題がない――と判断すれば可能になる。このルールに対しては、商業利用の最終承認を連邦議会が行うようにし認可のハードルを引き上げるべきだとの批判が与党内にあり、議会審議で紆余曲折が予想される。

法案は、1960年代から北ドイツのニーダーザクセン州を中心に行われているタイトガスの採掘についてはこれまで同様、認めている。

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