会計監査法人のアーンスト&ヤング(E&Y)が13日発表した『独バイオテクノロジー・レポート』最新版によると、バイオ業界の2014年の研究開発(R&D)投資額は前年比4%増の8億300万ユーロとなり、数年ぶりに増加へと転じた。雇用規模も3%増の9,920人に拡大しており、E&Yは明るい兆しが出てきたとしている。
R&D投資額は上場企業で18%増の1億3,300万ユーロと特に大きく増加した。非公開企業は2%増の6億7,000万ユーロだった。
業界売上高は11億4,000万ユーロで、3%減少。同赤字額は2%増えて3億4,900万ユーロへと膨らんだ。
業界企業数は401社で、前年の407社から1%減少した。新設企業数は10年から減少が続いており、昨年は10社にとどまった。13年と14年の新設企業をみると、その60%は事業リスクの高い医薬品開発分野が占めている。地域別ではミュンヘンが7社で最も多く、これにライン・ネッカー地域(5社)、ケルン/ボン(4社)、ベルリン(同)が続いた。
ドイツのバイオ企業は以前から資金不足に悩んでいる。E&Yによると、ベンチャー資本からの資金調達が少ないことがその理由の1つで、昨年は5.4%減の1億5,500万ユーロに落ち込んだ。ベンチャー資本への課税優遇措置が足りないことが原因といい、E&Yは政府に改善を促した。