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2015/4/22

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ドイチェ・ヴォーネン―競合のTOBに失敗―

この記事の要約

独不動産市場2位のドイチェ・ヴォーネン(フランクフルト)は15日、墺競合コンヴェルト・イモビリエン・インベストに対する株式公開買い付け(TOB)に失敗したと発表した。同株50%プラス1株以上の取得をTOBの成立条件として […]

独不動産市場2位のドイチェ・ヴォーネン(フランクフルト)は15日、墺競合コンヴェルト・イモビリエン・インベストに対する株式公開買い付け(TOB)に失敗したと発表した。同株50%プラス1株以上の取得をTOBの成立条件としていたが、届かなかった。独不動産業界では住宅市場の拡大を背景にM&A(企業の合併・買収)の動きが活発化しており、業界再編は今後も続くとみられている。

ドイチェ・ヴォーネンは2月中旬、コンヴェルトを1株当たり11.50ユーロで買収する計画を発表した。これは過去6カ月間の加重平均株価に21.5%上乗せした水準で、コンヴェルトの時価を約9億8,000万ユーロとしたことになる。計画発表の時点で複数の大株主から合わせて約25%を譲り受けることを取り決めていたが、コンヴェルトの経営陣は株主の利益に反するとして買収提案の受け入れを拒否していた。

ドイチェ・ヴォーネンのミヒャエル・ツァーン社長は15日、コンヴェルトは同社の経営戦略上、絶対に必要な企業ではなく、オプションの1つに過ぎなかったと述べ、今回のTOB失敗の痛手は小さいとの立場を示した。

独最大手のドイチェ・アニントンは先ごろ、同業ガグファを買収し、事業基盤を一段と強化した。ドイチェ・ヴォーネンはドイチェ・アニントンとの差を縮めるためにコンヴェルトの買収を試みた。

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