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2015/4/29

企業情報

ウィンコール・ニックスドルフ―コスト削減へ―

この記事の要約

ATM、POSシステム大手の独ウィンコール・ニックスドルフ(パーダーボルン)は23日の決算発表でコスト削減方針を打ち出した。ハードウエア事業の不振を受けた措置で、2018年9月期までに年1億2,000万ユーロを圧縮。これ […]

ATM、POSシステム大手の独ウィンコール・ニックスドルフ(パーダーボルン)は23日の決算発表でコスト削減方針を打ち出した。ハードウエア事業の不振を受けた措置で、2018年9月期までに年1億2,000万ユーロを圧縮。これに伴い従業員の12%に当たる1,100人を整理する。リストラ費用は1億2,000万ユーロで、そのうち8,000万ユーロを15年9月期に計上する。

ハードウエア価格の下落が業績の足かせとなっている。このため今後はハードウエアの販売台数を減らし収益力を引き上げる考えだ。

一方、主要顧客業界の銀行と小売ではデジタル化の進展を受けてソフトウエアとITサービスの需要拡大が見込まれることから、同社はこれらの事業を強化。ソフト事業では買収も実施し、18年9月期までに売上高を6億ユーロへと倍増させる計画だ。

15年3月中間期決算の営業利益(EBITAベース)は4,700万ユーロで、前年同期を31%下回った。銀行向け事業が43%減の2,900万ユーロとなり足を強く引っ張った格好だ。小売店向け事業は6%増の1,800万ユーロと増益を確保した。最終利益は31%減の3,100万ユーロだった。

売上高は12億800万ユーロで、2%減少した。内訳は小売店向けが6%減の4億2,500万ユーロ、銀行向けが1%増の7億8,300万ユーロ。

ハードウエアの売上高は5億400万ユーロで、12%減少した。一方、ソフト・サービスは同7%増の7億400万ユーロに拡大。売上全体に占める割合は前年同期の53%から58%へと拡大した(ハードウエアは47%から42%に縮小)。

同社は業績不振を受けて4月上旬、15年9月通期の売上高と利益で前期実績をやや上回るとした従来予測を撤回した。EBITAで2,000万ユーロを見込む。