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2015/5/6

経済産業情報

中国製太陽光パネルにEU業界団体が苦情、「事実上のダンピング」

この記事の要約

欧州連合(EU)内の太陽光パネルメーカーの業界団体「EUプロサン」は4月29日、中国メーカーがEUとの合意に反し、第3国を経由して製品を域内に事実上のダンピング輸出を行っているとして、欧州委員会に苦情を申し立てたことを明 […]

欧州連合(EU)内の太陽光パネルメーカーの業界団体「EUプロサン」は4月29日、中国メーカーがEUとの合意に反し、第3国を経由して製品を域内に事実上のダンピング輸出を行っているとして、欧州委員会に苦情を申し立てたことを明らかにした。

EUは2013年6月、中国の太陽光パネルメーカーが不当な廉価で製品をEUに輸出し、域内のメーカーに大きな打撃を与えているとして、反ダンピング措置を発動。これに中国政府が猛反発し、EU産ワインなどへの報復措置発動をちらつかせるなど、双方の通商紛争が激化する事態を招いた。

13年にEUと中国が合意した和解案は、中国の太陽光パネルメーカーがEUへの輸出に最低価格と数量制限を設ける代わりに、EUは反ダンピング税の適用を中止するという内容。これを受けてEUは同年8月、同合意を受け入れる中国メーカーへの反ダンピング措置の適用を中止した。

ロイター通信によると、EUプロサンは中国メーカーが同合意に基づく輸出の数量、価格制限を回避するため、EUが太陽光パネルの関税を免除している台湾、マレーシアを経由し、非中国製と偽ってダンピング輸出を続けていると主張。EUに輸入される中国製品の最大30%がこうしたケースに該当するとして、欧州委に対応を求めている。