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2015/5/6

経済産業情報

雇用の6割に黄信号、デジタル化の進展で

この記事の要約

経済のデジタル化が今後一段と進むと、ドイツの雇用情勢は大幅に悪化する恐れがある――。蘭銀行大手INGの独子会社ING DiBaが独自調査をもとに4月30日に明らかにしたもので、特に事務系や作業が単純な職種でリスクが高いと […]

経済のデジタル化が今後一段と進むと、ドイツの雇用情勢は大幅に悪化する恐れがある――。蘭銀行大手INGの独子会社ING DiBaが独自調査をもとに4月30日に明らかにしたもので、特に事務系や作業が単純な職種でリスクが高いとしている。ドイツが産官共同で進めるインダストリー4.0プロジェクトに影を落としそうだ。

同調査によると、社会保険に加入義務のある就労者3,087万人のうち1,830万人の雇用が今後10~20年で危機にさらされる。59%が該当する計算。

同比率は事務職で最も高く86%に達する。これに補助的な仕事の従事者(85%)、機械工・組立工(69%)、サービス・販売従事者(68%)が続く。例えばドローン(小型無人機)の普及により荷物の配達や倉庫業務では計150万人の雇用がなくなる恐れがあるといい、ING DiBaのエコノミストは「被用者は柔軟性と適用能力を高めなければならない」と指摘した。

一方、幹部クラスおよび知識集約型の仕事に従事する大卒者は同比率がそれぞれ11%、12%にとどまる。