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2015/5/27

企業情報

ドイツ鉄道―中国製車両調達の方向、現地に事務所開設へ―

この記事の要約

ドイツ鉄道(DB、ベルリン)が中国から車両と交換部品を調達する考えだ。ハイケ・ハナガルト取締役(調達担当)などが『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにしたもので、現地に調達拠点を設置。同国の大手車両メーカー中国北 […]

ドイツ鉄道(DB、ベルリン)が中国から車両と交換部品を調達する考えだ。ハイケ・ハナガルト取締役(調達担当)などが『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにしたもので、現地に調達拠点を設置。同国の大手車両メーカー中国北車(CNR)、中国南車(CSR)などと交渉を開始する。DBはこれまで主に独シーメンス、仏アルストム、カナダのボンバルディア製車両を利用してきたが、今後は調達先を拡大してメーカー間の競争を促進し、有利な条件で購入できるようにしていく。

調達拠点は今秋にも開設する。設置都市は北京となる見通し。当初は従業員10人未満でスタートする。

ハナガルト取締役は 「中国製品の品質が低い時代は終わった」と明言。調達の実務を統括するウヴェ・ギュンター氏は、中国製車両は性能が極めて高く欧州市場に問題なく投入できるとの見方を示した。中国政府は鉄道車両の輸出に意欲的で、DBには購入資金を低金利で調達できるメリットもあるという。

これまでドイツ企業ボーフマー・フェラインに発注していた交換車輪セットを2017年以降、中国企業Tyhiから調達することも検討している。ボーフマー・フェラインからの調達価格が1セット当たり2,000~3,000ユーロに上るのに対し、Tyhiでは最高品質のもので30%安い。DBは車輪を年に最大3万5,000セット交換することから、Tyhiからの調達に全面的に切り替えるとコストを3,150万ユーロ削減できる計算だ。

DBではシーメンスやボンバルディアから購入した車両に不具合があったり、納期が大幅に遅れるなどの問題が多発したため、調達先の多角化を模索しており、日立製車両の購入にも関心を示している。