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2015/5/27

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ヴィンタースハル―カタールのガス田開発断念―

この記事の要約

BASFの石油・天然ガス採掘子会社ヴィンタースハル(カッセル)は20日、カタールでのガス田開発を断念すると発表した。プロジェクトの成功に不可欠な現地インフラの利用を認められなかったため、利権を同国に返還し、現地事務所を閉 […]

BASFの石油・天然ガス採掘子会社ヴィンタースハル(カッセル)は20日、カタールでのガス田開発を断念すると発表した。プロジェクトの成功に不可欠な現地インフラの利用を認められなかったため、利権を同国に返還し、現地事務所を閉鎖する。同プロジェクトの出資比率はヴィンタースハルが80%、三井物産が20%。

ヴィンタースハルは2008年、カタールのガス田「ブロック4N」を探査・開発することで国営企業カタール・ペトロリアムと合意。13年には同国で約40年ぶりとなるガス田発見に成功した。

ただ、プロジェクトの枠組み条件は厳しく、ヴィンタースハルは今回のプレスリリースで、現地インフラを利用できなければ採算が取れないことは当初から分かっていたと強調した。カタールがなぜインフラ利用を認めなかったかについては事情を明らかにしていない。

経済紙『ハンデルスブラット』によると、2022年サッカーワールドカップ(W杯)のカタール招致を実現するために同国が巨額の賄賂を支払ったとする疑惑と、カタールがイスラムテロ組織に資金援助を行っているとの疑惑に絡んでドイツの閣僚などが同国を批判したことが決定的な原因となったもようだ。カタール外務省の高官は同紙に「われわれは汚職を一切、許容しない。そのような批判は名誉を棄損するものだ」と述べ、不快感を示した。

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