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2015/6/3

企業情報

ダグラス―投資会社CVCが買収、IPOは中止に―

この記事の要約

米投資大手アドベント・インターナショナルは1日、傘下の独香水販売チェーン、ダグラスをルクセンブルクに拠点を置く投資会社CVCキャピタル・パートナーズが主導する持株会社に売却することで合意したと発表した。5月末の時点ではダ […]

米投資大手アドベント・インターナショナルは1日、傘下の独香水販売チェーン、ダグラスをルクセンブルクに拠点を置く投資会社CVCキャピタル・パートナーズが主導する持株会社に売却することで合意したと発表した。5月末の時点ではダグラスの新規株式公開(IPO)方針を示していたが、売却に切り替えた。メディア報道によると、取引金額は30億ユーロ弱で、投資会社がドイツで行うM&Aでは今年最大の規模という。

ダグラスは持株会社ダグラス・ホールディングの主力事業。ダグラス・ホールディングに対しては2012年から13年にかけてアドベントと創業家のクレーケ家が株式公開買い付け(TOB)とスクイズアウト(他の株主からの強制的な株式買い上げ)を共同で実施し、完全子会社化と上場廃止を行った。完全買収後は香水販売チェーン、ダグラスのマルチチェンネル化を推し進めるとともに、他の事業の整理に取り組んで4おり、ダグラス以外で現在同ホールディングに属する2事業(書籍チェーンのタリアと婦人服販売チェーンのアッペルラート・キュッパー)も売却する予定だ。

CVCはクレーケ家と共同で設立する持ち株会社を通して香水販売チェーンのダグラスを完全買収する。クレーケ家は同持ち株会社に15%出資。今後もダグラスの経営に関与する。

ダグラスはアドベントの下で、買収を通した事業の拡大を進めてきた。現在19カ国で計1,700店舗を展開している。CVCも買収を通して同チェーンの成長を加速させる方針だ。