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2015/6/17

企業情報

バイエル―血糖値測定器事業を売却、パナソニックヘルスケアに―

この記事の要約

製薬・化学大手の独バイエル(レバークーゼン)は10日、血糖値測定器事業(BDC事業)をパナソニックヘルスケアに売却すると発表したい。価格競争が厳しくなっているうえ、将来的に巨額の投資も必要なため、同事業から撤退。経営資源 […]

製薬・化学大手の独バイエル(レバークーゼン)は10日、血糖値測定器事業(BDC事業)をパナソニックヘルスケアに売却すると発表したい。価格競争が厳しくなっているうえ、将来的に巨額の投資も必要なため、同事業から撤退。経営資源を製薬と農業科学分野に絞り込む。取引金額は10億2,200万ユーロ(1,380億円)。売却手続きは独禁当局の審査を経て来年第1四半期に終了する見通しという。

BDC事業は糖尿病患者、医療従事者向けに血糖値測定システムを提供している。世界125カ国以上で事業を展開、2014年の売上高は9億900万ユーロだった。

糖尿病患者の数は世界的に増加傾向にあり、今後も拡大が予想されている。ただ、多くの国の医療保険機関は測定器向けの給付を引き下げており、製品価格は下落。アジア製の低下価格製品の増加はこの傾向に拍車をかけている。

また、涙で血糖値を測定するスマートコンタクトレンズの開発にIT大手の米グーグルが乗り出しており、今後は革新的な技術の登場が予想される。こうした状況に対応するためには巨額の製品開発投資が必要になる。

パナソニックヘルスケアは過去20年間、BDCの血糖値測定器を受託生産してきた。今後はBDCのグローバル販売網を獲得するとともに、高品質の製品を低価格で提供。市場を開拓していく。

同社は投資会社KKRの子会社で、KKRの出資比率は80%。残り20%はパナソニックが保有する。