独自動車部品大手ZFフリードリヒスハーフェンのシュテファン・ゾンマー社長は1日、売上目標を大幅に引き上げた。これまでは2025年までに400億ユーロを実現するとしていたが、米同業TRWオートモーティブを買収したことで700億ユーロへと上方修正した。競合のボッシュ、コンチネンタルを抜いて世界1位に躍り出る可能性がある。
ZFは昨年9月にTRWの買収で合意。5月中旬に買収手続きを完了した。ゾンマー社長によると、TRWが決算に全面的に組み込まれる来年は売上高で370億ユーロ以上を確保する。そのうちTRWは160億~170億ユーロを占める見通しという。ZFは今回の買収により自動車部品の世界3位メーカーとなった。
ZFは13年、売上高を同年の168億ユーロから25年までに400億ユーロへと引き上げる目標を打ち出した。TRWを買収したことでこの目標はハードルが低くなっており、同社長はジャーナリストの質問に答える形で新たな目標数値を示した。700億ユーロを実現するためには業界平均を上回る成長が必要となるものの、「ZFがこれまで実現してきたよりも低い成長率」で達成できると指摘。新目標の実現に自信を示した。
2大大手コンチネンタルとボッシュの売上高は現在それぞれ約340億ユーロ、約330億ユーロで、ZFの25年目標は両社の合計を上回る。これを踏まえたジャーナリストの「両社を抜いて世界最大手になるつもりですか」との質問に対しては、競合企業の事情は分からないとして明言を避けた。