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2015/7/8

企業情報

ノボノルディスク―インスリンの独販売打ち切り―

この記事の要約

デンマーク製薬大手ノボノルディスクの独法人ノボノルディスク・ファーマ(マインツ)は1日、およそ1年前に独市場に投入したばかりの持効型溶解インスリン「トレシーバ」の販売を9月末で打ち切ると発表した。販売価格の引き下げを余儀 […]

デンマーク製薬大手ノボノルディスクの独法人ノボノルディスク・ファーマ(マインツ)は1日、およそ1年前に独市場に投入したばかりの持効型溶解インスリン「トレシーバ」の販売を9月末で打ち切ると発表した。販売価格の引き下げを余儀なくされ、採算が取れなくなったためと説明している。同薬の投与を受けるドイツの患者およそ4万人は今後3カ月で別のインスリンに切り替えなければならない。

ドイツでは医療費抑制を目的とする新規特許薬の価格取り決めに関する法令(Amnog)に基づき、医師と健保の代表からなる連邦合同委員会(G-BA)が国内で発売された新薬の薬効を評価。既存薬に比べて高い効果がないと判断された医薬品は、評価で用いられた比較治療薬と同レベルの価格でしか販売できなくなる。また、既存薬より治療効果が高いと判断された新薬もメーカーと公的健保が交渉で薬価を決定する仕組みになっている。ノボノルディスクは公的健保との同交渉で合意に達せず、調停機関に判断を委ねることになったが、同機関が提案した価格も同社にとっては低すぎたため、販売停止を決定した。