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2015/7/8

企業情報

K+S―ポタシュの買収提案を拒否―

この記事の要約

カリ肥料大手の独K+S(カッセル)は2日、同社に対するカナダ同業ポタシュの買収提案を拒否すると発表した。K+Sの価値を過小評価しているほか、同社の利益にも反するためと説明している。 K+Sは6月25日、ポタシュから買収の […]

カリ肥料大手の独K+S(カッセル)は2日、同社に対するカナダ同業ポタシュの買収提案を拒否すると発表した。K+Sの価値を過小評価しているほか、同社の利益にも反するためと説明している。

K+Sは6月25日、ポタシュから買収の打診を受けたことを明らかにした。今回の発表によると、買収提示額は1株当たり41ユーロ。K+Sはこれについて、カリ・マグネシウム事業と塩事業の価値が適切に反映されていないうえ、同社がカナダで進めるカリ鉱山開発プロジェクト「レガシー」が全く考慮されていないと指摘した。

レガシーにはこれまで、20億ユーロ以上を投資してきた。来年末から採掘を開始する。同プロジェクトの簿価は1株当たり11ユーロで、将来の産出量を踏まえると最大21ユーロに上るという。ノルベルト・シュタイナー社長はこれを踏まえ、ポタシュはレガシープロジェクトを獲得するためにK+Sの価値を意図的に過小評価しているようだとの見方を示した。

K+Sはまた、ポタシュは戦略的・技術的・経済的に密接につながる同社の肥料事業と塩事業を現在の形では継続させないとの懸念を表明。世界に1万4,000人以上いる社員の取り扱いについても、ポタシュは同社の問い合わせに拘束力のある回答を避けていることを明らかにした。