ドイツ東部のドレスデンで1日、遠隔医療プロジェクト「CCSテレヘルス・オストザクセン」が正式に動き出した。病院、医師、患者をネットで結び、医療の質を引き上げる狙いで、遠隔治療では同国最大の取り組みという。ドイツでは遠隔治療の普及が遅れており、同プロジェクトの関係者はそうした現状を打開する考えだ。
ドレスデン大学病院の子会社カルス・コンシリウム・ザクセンとドイツテレコムのITサービス子会社Tシステムズ・インターナショナルが中心となり運営する。プロジェクトには同大学病院とドレスデン心臓疾患治療センター、ライプチヒ大学病院などが参加。欧州連合(EU)と地元ザクセン州から合わせて約1,000万ユーロの助成を受ける。
患者は自宅と通院で医療サービスを受ける。各人にはタブレットPCが支給されており、病院の看護師とコンタクトを取ることができる。看護師は患者の医療データを毎日チェック。緊急を要する場合は医師に速やかに連絡を入れる。ドレスデン心臓疾患治療センターには専門の看護師が2人おり、1人当たり150~200人の患者を担当する。患者の1人はメディアの取材に「毎日コンタクトを取るので安心感がある」と語った。
医師は他の病院の専門医などとともにビデオ会議を開き、患部の画像を共有しながら診断を下す。へき地の医師がビデオ会議のメンバーに専門医を参加させることも可能という。