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2015/7/8

経済産業情報

豊胸材スキャンダル、認証機関が逆転勝訴

この記事の要約

仏ポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP、2011年に会社清算)が製造した粗悪な豊胸バッグによって被害を受けたとしてインプラント手術を受けたフランスの女性およそ1,700人と取り扱い事業者8人が同社の製造工程の認証を行った […]

仏ポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP、2011年に会社清算)が製造した粗悪な豊胸バッグによって被害を受けたとしてインプラント手術を受けたフランスの女性およそ1,700人と取り扱い事業者8人が同社の製造工程の認証を行った独テュフ・ラインランドに損害賠償の支払いを要求している係争で、2審のエクス·アン·プロヴァンス控訴裁判所は2日、原告勝訴を言い渡した1審判決を破棄し、被告に過失責任はないとの判決を下した。テュフ・ラインランドはフランスとドイツの他の裁判でも勝訴しており、同社に過失があったとする判決は現時点で1つもなくなった。

テュフ・ラインランドはPIPが医療用と偽って工業用シリコンで製造した豊胸バッグについて、1997年から2010年3月まで製造工程の認証業務を引き受けていた。PIPが11年に清算されたことから、原告は認証を行ったテュフ・ラインランドに損賠請求している。

1審のトゥーロン商事裁判所は13年11月の判決で、テュフ・ラインランドに過失があったとして、原告1人につき3,000ユーロを支払うよう命じた。

これに対し2審の裁判官は今回、テュフ・ラインランドが認証を請け負ったのは製造工程であり、製品そのものではないと指摘。PIPは監査が行われるときは常に製造工程を変更し監査員を欺いており、テュフ・ラインランドに落ち度はなかったとの判断を示した。