欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2015/7/15

総合 - ドイツ経済ニュース

改正廃家電法案が成立、量販店に無料引き取り義務

この記事の要約

州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)は10日、改正廃家電法(電気・電子機器法=ElektroG=)案を可決した。同法案は欧州連合(EU)の新指令を受けもの。すでに連邦議会(上院)を通過しており、大統領の署名を経て施 […]

州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)は10日、改正廃家電法(電気・電子機器法=ElektroG=)案を可決した。同法案は欧州連合(EU)の新指令を受けもの。すでに連邦議会(上院)を通過しており、大統領の署名を経て施行される。家電量販店とインターネット販売事業者に廃家電の無料引き取りを義務づけてリサイクリング比率を引き上げる狙いだ。

現行法では廃家電をメーカーが自己負担で回収、リサイクリング、廃棄することが義務づけられているものの、消費者は廃家電を市町村のごみ収集場までみずから持ち込まなければならない。料金はかからないものの、運搬の手間を嫌って家庭用一般ごみにまぜて捨てる人が少なくない。また、違法に国外に輸出されるケースも多く、家電に含まれる有害物質による環境汚染や資源の無駄遣いにつながっている。

EUでは域内の製造業者に廃家電の回収・リサイクルを義務づけた「使用済み電子・電気製品に関する指令(WEEE指令)」の改正ルールが2012年8月に発効した。加盟国は19年以降、国内で販売された電子・電気製品の総重量に対して年間65%の回収を義務づけられる。

廃家電改正法案はこれを受けたもので、消費者が家電を買い替える場合、売り場面積400平方メートル以上の家電販売店とネット販売事業者に廃家電を無料で引き取ることを義務づける。製品の一辺の長さが25センチメートル以下の廃家電であれば、消費者が新製品を購入しなくてもこれらの事業者は無料で引き取らなければならない。引き取り義務は改正法施行の10カ月後から発生する。