欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2015/7/29

総合 - ドイツ経済ニュース

ルフトハンザがエコノミーを細分化

この記事の要約

独航空大手のルフトハンザグループが事業見直しの一環としてルフトハンザ本体のエコノミークラスに新たなサービス体系を導入する。ライアンエアなどの格安航空会社(LCC)や中東系航空会社に押されて業績が低迷していることに対応。サ […]

独航空大手のルフトハンザグループが事業見直しの一環としてルフトハンザ本体のエコノミークラスに新たなサービス体系を導入する。ライアンエアなどの格安航空会社(LCC)や中東系航空会社に押されて業績が低迷していることに対応。サービスを多様化することで収益力を高める狙いだ。一方、同社が進める収益力強化策に対しては従業員のほか外部からも反発が出ており、欧州連合(EU)域内の旅行会社やオペレーターの業界団体ECTAAは、同社が導入予定の販売手数料を不当として欧州委員会に苦情を申し立てた。

ルフトハンザは27日、国内・欧州域内線のエコノミークラスをサービス内容に応じて10月1日から3種類に細分化することを明らかにした。28日から予約の受付を開始している。

新しいサービス体系は「ライト」「クラシック」「フレックス」の3種類からなる。手荷物の機内持ち込み(1個)とドリンク・軽食サービスは共通して料金に含まれており、一般のLCCと一線を画している。(下の表を参照)

最も下のカテゴリーはライト。料金は89ユーロからで、エコノミーのこれまでの最低を10ユーロ下回る。予約の変更・キャンセルはできない。また、荷物を預ける場合と希望の座席を予約する場合は追加料金がかかる。欧州線利用者の3分の1は荷物を預けないことから、同社はニーズが大きいとみている。

クラシックでは重さ23キログラムまでの荷物を無料で預けられる。座席の予約も手数料がかからない。予約の変更は有料。料金は129ユーロから。

フレックスは予約変更が無料。料金はクラシックより60~160ユーロ高い。

追加サービスを含めると予約の選択肢は34パターンに上る。同社は各顧客のニーズに見合ったサービスを提供することで、これまで取り込めなかった需要を掘り起こす考え。

料金の高いフレックスなどの導入や付加サービスの有料化を通して収益力を引き上げることも重要な狙いだ。コンサルティング会社ジモン・クーヒャーの関係者は『ハンデルスブラット』紙に、予約サイトで顧客が高いチケットを購入するよう誘導できれば、座席当たりの売上高を3~4ユーロ拡大できると指摘した。

ルフトハンザは同料金体系を子会社オーストリア航空にも10月から導入する。傘下のブリュッセル航空、スイス、格安子会社ジャーマンウイングスではすでに導入されている。

ルフトハンザは6月、アマデウスなどの予約・発券システム(GDS)を通して航空券を購入した顧客から手数料を徴収する方針を明らかにした。コスト削減が狙いで、9月1日から1件当たり16ユーロを請求する。グループ各社のホームページで直接、予約すれば手数料はかからず、旅行事業者も同グループの専用ポータルを利用することで手数料を回避できる。だがECTAAは24日、新手数料は販売チャンネル間の差別を禁止したEU法に違反するとして欧州委に苦情を申し立てた。同委の調査結果次第では、同手数料を導入できなくなる。

企業情報
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |