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2015/7/29

経済産業情報

独海運業界に薄日、積載率が大きく上昇

この記事の要約

リーマンショック後の長期不況にあえいでいたドイツの海運業界にようやく薄日が差してきた。コンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が23日発表した2015年版業界アンケート調査レポートによると、今春時 […]

リーマンショック後の長期不況にあえいでいたドイツの海運業界にようやく薄日が差してきた。コンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が23日発表した2015年版業界アンケート調査レポートによると、今春時点の平均積載率は91%に達し、昨年の66%から大きく上昇。調査を開始した09年以降の最高を記録した。今年の売上増を見込む企業も55%と過半数に達する。

世界の海運業界は将来の需要を見誤って大量の船舶を発注。08年のリーマンショックを発端とする経済の悪化を受けて、過剰輸送能力を抱え込んだ。このため、積載率や運賃は大きく低下し、各社は船舶の廃棄や買収・合併などに取り組んできた。

今回のアンケートでは廃船を計画する企業が1割となり、前年の2割から減少。船舶調達を計画する企業は前年の64%から74%に増加した。13年時点では同50%にとどまっていた。

PwCは今回、造船や中古船購入の資金調達で今後、保険会社や投資ファンドなど機関投資家の役割が高まり、銀行の存在感は低下していくとの見通しを示した。自己資本規制の強化を受けて銀行が船舶融資を縮小する一方で、保険会社などは低金利を背景に国債に代わる新たな運用先を模索しているためだ。アンケートでは海運会社の62%が「機関投資家にとって魅力ある投資先になる」考えを明らかにした。

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