ドイツからロシアへの上半期(1~6月)の輸出高は前年同期比31%減の105億ユーロ弱と大幅に縮小した。欧米の対ロシア経済制裁とそれに伴うルーブル安やロシア経済の低迷が響いた格好。ロイター通信が独連邦統計局のデータをもとに24日、報じた。
ドイツ経済界東欧委員会は2015年の同輸出高が前年実績をおよそ3分の1下回る20億ユーロ程度に落ち込むと予想している。同委のエックハルト・コルデス委員長は、欧州連合(EU)の対ロ制裁が続くと、ドイツ製品のロシア市場シェアは継続的に落ち込んでいくとの見方を示した。中国、ブラジルなど他の主要新興国の経済が低迷していることもあり、ドイツの輸出産業にとっては大きな痛手となる。
ロシアの周辺諸国への輸出も大きく落ち込んでおり、カザフスタン向けは前年同期比で21%減少。ベラルーシとウクライナ向けもそれぞれ29%、27%縮小した。
ロシアからのドイツの輸入額は約155億ユーロで、前年同期をおよそ24%下回った。全体の8割を天然ガスや石油などのエネルギーが占める。