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2015/8/26

経済産業情報

大型風力発電パークの発電効率、「1平米当たり1ワット」が限界

この記事の要約

大型風力発電パークの発電効率は1平方メートル当たり1ワット強が限界であるとする研究成果を、マックス・プランク生物地球化学研究所のアクセル・クライドン氏などの研究グループが発表した。これまでは最大で同7ワットが上限とされて […]

大型風力発電パークの発電効率は1平方メートル当たり1ワット強が限界であるとする研究成果を、マックス・プランク生物地球化学研究所のアクセル・クライドン氏などの研究グループが発表した。これまでは最大で同7ワットが上限とされており、大幅に引き下げられたことになる。研究成果は『米国科学アカデミー紀要』に掲載された。

同研究グループは米カンザス州にある面積10万平方キロメートルの地域を利用してシミュレーションを実施し、今回の結論を引き出した。クライドン氏によると、発電効率の上限を7Wとする従来の研究は発電効率の決定要因として風力しか考慮していないと指摘。そうした高い発電効率は風力風車が1基しかない場合にはありうるが、風車数が多いためにブレードに当たる風の力が弱まるパークではありえないとの見方を示した。パークでの発電効率については風力そのものに加え◇風車に風が当たることで風力が弱まる◇上空の大気がもたらす影響――も考慮しなければならないとしている。

今回の研究成果は他の地域や洋上風力発電にも当てはまるという。これをもとに計算すると、ドイツ全体の風力発電能力は357ギガワットが上限となる。