ドイツ連邦カルテル庁は8月27日、同国ランニングシューズ市場最大手のアシックスが契約先の販売事業者に対しインターネットでの活動を制限していたことは独禁法に抵触するとの判断を示した。アシックスはすでに、同庁の指摘を受けて問題とされた制限行為を中止している。
カルテル庁によると、アシックスは販売事業者が自社のオンラインショップに顧客を誘導するために価格比較サイトを利用したり第三者のサイトにアシックスのロゴをアップすることを禁止していた。また、オンライン商店街を利用することも禁じていた。
カルテル庁のムント長官は、メーカーが契約先の販売事業者に対し価格比較サイト・ネット販売ポータルの利用や、ブランドロゴの利用を禁止すると、消費者は規模が小さい事業者のオンラインショップを見つけることができなくなり、メーカーの自社サイトやアマゾンなどのネット通販大手の市場シェアが高まると指摘。中小販売事業者の競争力が弱まり、競争を通した価格の下落も阻害される懸念があるとの見方を示した。