ドラッグストア大手のdmがメーカーの「隠れ値上げ」に反対する時限キャンペーンを全国の店舗で実施した。消費者やメディアの大きな反響を呼んでいる。
対象となったのは日用品大手の米コルゲート・パルモリーブだ。同社は歯磨き粉「デンタガード」の値段を変えずに容量を従来の100ミリリットルから75ミリリットルへと大幅に減らした。
dmはこれを受けて、デンタガードの陳列棚を空にしたうえで、プラカードを掲示。文面は「量が減らしたのに値段は同じ。だから私たちはストライキを実施します」となっていた。dmのエーリヒ・ハルシュ社長は「値上げが顧客を納得させられるものかどうは我々にとって決定的に重要なことがらだ。わが社は今後もドラッグストア製品の最もお買い得な販売者であり続けたい」とキャンペーンの趣旨を説明した。
一方、コルゲート・パルモリーブの独法人はエネルギーや原料などのコスト上昇を出荷価格に反映させることは当然のことだと反論。dmのキャンペーンは異常だと不快感をしめしたうえで、合意による解決を目指したいとの立場を示した。
ドイツでは好景気を背景に実質賃金が上昇し、消費者は以前に比べ価格に頓着しなくなっている。小売店やメーカーにとっては値上げのチャンスであり、隠れ値上げが増えている。