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2015/9/9

企業情報

フォルクスワーゲン―社長任期を18年末まで延長へ―

この記事の要約

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は2日、監査役会の幹事会がヴィンターコルン社長の任期延長を25日の監査役会に提案することを全会一致で決議したと発表した。2016年末で切れる任期を18年末へと2年 […]

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は2日、監査役会の幹事会がヴィンターコルン社長の任期延長を25日の監査役会に提案することを全会一致で決議したと発表した。2016年末で切れる任期を18年末へと2年延長する考え。ヴィンターコルン社長に反対する監査役は現在いないことから、同提案の承認は確実とみられる。

監査役会はこれまで、ヴィンターコルン社長の任期延長を16年2月に決定する予定だったが、今月へと前倒した。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、同社長が打ち出した組織再編計画を推し進めやすくすることが決議前倒しの狙いという。

VWは4月に辞任したピエヒ監査役会長のもとで集権的に事業の拡大を進め、トヨタ自動車に次ぐ世界2位メーカーに浮上した(今年上半期は世界1位を獲得)。だが、計12ブランドを持ち、世界販売台数も1,000万台を突破したことで、中央統制型の経営では市場動向に迅速対応できないなどの問題が浮上。ヴィンターコルン社長は5月、分権型の組織に改める意向を示した。今月の監査役会で再編計画の承認を得る考えとみられている。

ピエヒ監査役会長は4月、ヴィンターコルン社長に権力闘争を仕かけて失敗し、辞任に追い込まれた。

次期監査役会長にペッチュ財務担当取締役

一方、VWの議決権の50%超を持つ親会社ポルシェ・アウトモービル・ホールディング SE(ポルシェSE)は3日、両社の財務担当取締役を兼任するディーター・ペッチュ氏をVWの11月の臨時株主総会で監査役会長に推薦することで、ポルシェSEの出資者が合意したと発表した。ポルシェSE監査役会の承認を経て正式決定する。

VWはピエヒ氏の辞任後、監査役会長のポストが空席となっており、現在は労働側代表のフーバー副会長(金属労組IGメタル前委員長)が代行している。