欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2015/9/9

企業情報

ギガセット―スマホ市場参入―

この記事の要約

コードレスフォン製造の独ギガセット(ミュンヘン)は1日ベルリンで、同社初のスマートフォンを公開した。固定電話機市場が縮小し同社の業績も後退していることから、スマホ市場に参入して巻き返しを図る考えだ。ドイツではかつて電機大 […]

コードレスフォン製造の独ギガセット(ミュンヘン)は1日ベルリンで、同社初のスマートフォンを公開した。固定電話機市場が縮小し同社の業績も後退していることから、スマホ市場に参入して巻き返しを図る考えだ。ドイツではかつて電機大手のシーメンスが移動携帯端末を手がけていたが、同社は2005年に事業撤退。その後は携帯端末事業を行う国内メーカーがなかった。

ギガセットはアンドロイド搭載のスマホ3機種を公開した。価格はそれぞれ349ユーロ、469ユーロ、549ユーロ。349ユーロの機種は性能が低いものの、上位2機種はデザインと性能が良いうえ価格も手頃なことから、サムスンやソニーの製品と競合できると指摘する専門家もいる。ギガセットのシャルレス・フランクル社長は「わが社は競争が激しいこの業界で長期的に成功を収めるための頭脳を持っている」と述べ、事業の先行きに自信を示した。

これらの機種を4日に開幕する世界最大のコンシューマー・エレクトロニクス展「IFAベルリンショー」に出展した。

ギガセットはシーメンスの元子会社で、現在は中国系投資会社・高銀(Goldin)の傘下に入っている。昨年の売上高は3億2,600万ユーロで、10年実績(10億ユーロ強)の3分の1以下に縮小。最終損益は1,660万ユーロの赤字だった。従業員数はこの間、2,333人から1,366人に減少している。