ドイツ連邦経済省が連邦統計局のデータをもとに6日発表した2015年8月の製造業新規受注指数は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比1.8%減(暫定値)となり、2カ月連続で大きく落ち込んだ。夏季休暇の配置のほか、新興国の経済不振が響いた格好で、コメルツ銀行のエコノミストはロイター通信に、今後数カ月間はドイツの鉱工業生産と経済成長が鈍るとの見方を示した。統計局は今回、7月の製造業新規受注指数を前月比実質1.4%減から同2.2%減へと下方修正した。
8月の新規受注を地域別でみると、ユーロ圏外の落ち込みが最も大きく、下落幅は3.7%に達した。ユーロ圏外は7月も10.1%減と大幅に低下している。8月の国内受注は2.6%減。ユーロ圏(ドイツを除く)は同2.5%増となり3カ月連続で拡大した。
部門別では投資財が2.8%減と、最も大きく落ち込んだ。国内とユーロ圏外がそれぞれ6.2%、4.3%下落。ユーロ圏は5.8%増加した。
中間財は0.4%減で、内訳はユーロ圏外が2.6%減、ユーロ圏が1.6%減、国内が1.1%増だった。
消費財は1.5%落ち込んだ。ユーロ圏外とユーロ圏が各2.4%、2.2%下落。国内も0.3%落ち込んだ。
特殊要因による統計上のブレが小さい2カ月単位の比較をみると、7~8月は前の期の5~6月を2.2%下回った。ユーロ圏と国内はそれぞれ2.8%、1.4%増加したものの、ユーロ圏外が9.2%減となり足を強く引っ張った格好だ。