独農業機械大手のクラース(ハルゼヴィンケル)は1日、ロシア南部のクラスノダールにトラクターとコンバインの新工場を開設したと発表した。欧米の経済制裁などを受けて同国経済は低迷しているものの、ロシアは農業近代化の余地が大きいと判断。約1億2,000万ユーロを投じてクラスノダールに同地2つ目の生産施設を建設した。ロタール・クリスツン社長は「ロシアにこれほどの規模の投資を行う業界企業はわが社以外に存在しない」と強調した。
同社は2005年、国外の農業機械メーカーで初めてロシアに工場を開設した。投資額は約2,000万ユーロ。今回新たに開設した工場は床面積が約4万5,000平方メートルで、クラスノダールのこれまでの生産施設の9倍に上る。新工場の開設により同市での生産規模は最大で年2,500台に拡大する。
クラースによると、ロシアには農耕に適した土地が1億2,200万ヘクタールあるものの、実際に農耕が行われているのは7,200万ヘクタールにとどまる。近代的な農業機械を投入すれば、利用可能な土地が大幅に広がることから、潜在需要が大きいとみている。