小包配達大手のヘルメス、DPD、GLSは3日、住宅向け宅配ボックスを2016年夏から共同で市場投入すると発表した。同サービスで先行するドイツポスト傘下のDHLに対抗。DHLと異なり他の企業も宅配ボックスを利用できるオープン型のサービスを展開し、顧客を獲得していく考えだ。
DHLは昨年5月、個人住宅向け宅配ボックス「パケットカステン(Paketkasten)」の全国販売を開始した。ネット通販市場の拡大で宅配便需要が増加し続けていることに対応したもので、小包の受け取りだけでなく返品・発送もできる。不在時でも小包を受け渡しできるためユーザーの利便性が高いうえ、再配達にかかる手間とコストを削減できるメリットもある。独自の無線チップを利用してボックスを開閉する仕組みを採用しており、DHL以外の宅配業者は利用できない。
ヘルメス、DPD、GLSはこれに対抗して独自のサービスを開発。他の小包配達事業者や各地のスーパー・薬局なども利用できるようにし、すそ野を広げていく考えだ。宅配ボックスは金庫・施錠システム製造の独ブルク・ヴェヒターが製造する。