欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2015/10/21

経済産業情報

VWにリコール命令、来年初頭から計240万台

この記事の要約

ドイツのアレクサンダー・ドブリント交通相は15日、ソフトウエアを使ってディーゼル車の排ガス値を不正に操作していたフォルクスワーゲン(VW)に対しリコール(無料の回収・修理)を命じることを明らかにした。VWは自主的なリコー […]

ドイツのアレクサンダー・ドブリント交通相は15日、ソフトウエアを使ってディーゼル車の排ガス値を不正に操作していたフォルクスワーゲン(VW)に対しリコール(無料の回収・修理)を命じることを明らかにした。VWは自主的なリコールにとどめたい意向を伝えていたが、所轄官庁の連邦陸運局(KBA)は事態の重大性を踏まえリコールを監視する必要があると判断。命令という強制措置に踏み切る。

VWグループでは違法なソフトを使ってディーゼル車の排ガス値を操作していたことが先月中旬に発覚した。該当する車両は世界で計1,100万台に上る。

ドイツでは280万台が当てはまる。ただ、このうち40万台はすでにKBAの車両登録から抹消されており、リコール台数は240万台となる。修理は来年初頭から始まる。

対象となるのは排気量1.2リットル、1.6リットル、2.0リットルのエンジンを搭載したアウディ、セアト、シュコダ、VWブランドのディーゼル車で、欧州排ガス基準「ユーロ5」に対応したモデル。ドブリント交通相によると、このうち2.0リットルエンジン搭載車はソフトを入れ替えるだけで済み、来年初頭から修理を行える。一方、1.6リットル・1.2リットルエンジンの搭載車はハード部品レベルの対応が必要で、修理のスタートは来年9月以降となる見通し。

VWの15日付プレスリリースによると、欧州連合(EU)28カ国のリコール台数は合わせて約850万台に上る。