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2015/10/28

総合 - ドイツ経済ニュース

褐炭発電2.7GW削減で政府と電力3社が合意

この記事の要約

ドイツ連邦経済省は24日、国内の褐炭発電を計2.7ギガワット(2,700メガワット)削減することで、発電事業者RWE、バッテンフォール、Mibragの3社と合意したと発表した。二酸化炭素(CO2)排出削減目標の達成に向け […]

ドイツ連邦経済省は24日、国内の褐炭発電を計2.7ギガワット(2,700メガワット)削減することで、発電事業者RWE、バッテンフォール、Mibragの3社と合意したと発表した。二酸化炭素(CO2)排出削減目標の達成に向けた措置。合意内容は今後、3社の監査役会の承認を経て法案化され、11月の閣議で承認される見通しだ。

ドイツは国内のCO2排出量を2020年までに1990年比で40%削減する目標を掲げているが、従来計画では同目標を達成できないことが明らかになったため、政府は昨年12月、削減量を6,200万~7,800万トン上乗せする方針を決定。発電分野では削減幅を従来計画より2,200万トン多い9,300万トンに引き上げた。同2,200万トンの追加削減のうち1,100万~1,250万トンを褐炭発電の分野で達成する考えで、今回、3社の同意を得た。

3社はまず16年から19年にかけて、対象となる褐炭発電所をそれぞれ緊急時用の予備電源へと切り替えていき、5年後に廃止する(最後の発電所が廃止されるのは23年)。ただ、停止中の褐炭発電所で発電を再開するためには数日間の準備が必要なうえ、欧州では現在、発電能力が過剰となっていることから、これらの褐炭発電所が予備電源として発電を行うことは実質的にないとみられる。

褐炭発電所の予備電源化に伴い3社は総額16億ユーロを受け取る。資金は電力料金を1キロワット時(kWh)当たり0.05セント値上げして確保するため、消費電力3,500kWhの標準世帯では負担額が年1.75ユーロ増加する。