スマートホン上の手続きだけで振替口座を開設できるサービスを手がける新興企業のナンバー26(ベルリン)は19日、当座貸越サービスを12月1日から開始すると発表した。同社はこれにより初めて、収入を得られる事業を開始する。今後も貯蓄商品や投資商品などを投入し、業績を拡大していく考えだ。
ナンバー26は2013年設立のフィンテック(金融関連のITスタートアップ企業)。顧客はスマホアプリの操作だけで同社に振替口座を開設できる。所要時間は8分。顧客数は現在7万人に上る。ただ、口座管理手数料や引き出し料金がかからないため、これまでは収入源がなかった。
当座貸越は預金残高を超えて払い出す顧客に自動融資を行うサービス。ナンバー26は同サービスの利用をスマホで申し込んだ顧客のリスクスコアリングを、最新のIT技術を用いてわずか数秒で実施。リスク度に応じて最大2,000ユーロの自動融資枠を供与する。『南ドイツ新聞』によると、金利は年8%という。
ナンバー26は提携先のワイヤーカード・バンクが持つ銀行免許を利用してサービスを提供している。4月には米決済サービス大手ペイパルの共同創業者であるピーター・ティール氏から数百万ユーロの出資を受けた。