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2015/12/2

経済産業情報

銀行デジタル化でスマホが主役に、現金と支店は意義が大幅低下

この記事の要約

デジタル化の進展に伴い金融業界が今度、どう変化するかに関する業界企業アンケート調査の結果を、情報通信業界連盟(Bitkom)が11月25日、発表した。金融企業の多くはスマートホンなど移動通信端末の存在感が増し、現金の比重 […]

デジタル化の進展に伴い金融業界が今度、どう変化するかに関する業界企業アンケート調査の結果を、情報通信業界連盟(Bitkom)が11月25日、発表した。金融企業の多くはスマートホンなど移動通信端末の存在感が増し、現金の比重は低下するとみている。Bitkomのウルリヒ・ディーツ副会長は「支払い手段のデジタル化は我々がどのように購入するのか、および銀行取引をどこでどのように行うかに直接的な影響をもたらす」との見方を示した。

アンケートは従業員数20人以上の独金融企業の役員クラス102人を対象に同連盟の調査機関Bitkomリサーチが実施した。

それによると、「実店舗の小売店で10年後に広く利用されている決済手段」として最も回答が多かったのはクレジットカードで、全体の70%を占めた。これにデビットカードが67%と僅差で続き、スマホは62%で3位に付けた。現金は34%にとどまった。現金が支払い手段の主流でなくなる時期については「5年後」が18%、「10年後」が43%で、10年以内が計61%を占めた。この見方が正しければ、現金を最重視するドイツの消費者の支払い方法は大きく変化することになる。

10年後に「融資の獲得などの銀行取引をスマホで行うことが幅広く普及している」との回答は74%に達した。「SNSで銀行取引が行われる」も53%と多い。

一方、デジタル化を受けて銀行の支店数が今後10年で「大幅に減る」とする回答は73%に達した。「やや減少」も25%おり、「増加する」との回答はなかった。

また、10年後には「銀行顧客向けのコンサルティングが基本的にアルゴリズムで自動化されている」との回答は65%に達した。「ビッグデータに基づいた顧客コンサルティングが行われている」も62%の上っており、銀行役員の多くはITの活用が大幅に進むと考えている。デジタル化を「リスクだ」と回答した人は4%で、「チャンスだ」は96%に上った。