コネクレーンズ―独同業を買収へ―

フィンランドのクレーン大手コネクレーンズ(ヒュビンカー)は16日、米機械大手テレックスから産業・港湾用クレーン子会社テレックス・マテリアル・ハンドリング・アンド・ポート・ソリューション(テレックスMHPS)を買収することで合意したと発表した。テレックスMHPSはドイツに本社を置く企業で、コネクレーンが2010年に買収しようとした旧デマグ・クレーンズの後継企業。コネクレーンズは今回の取引により、5年遅れでデマグ・クレーンズを取得することになる。

テレックスMHPSを計11億2,600万ユーロで買収する。そのうち8億2,000万ドル(7億2,300万ユーロ)が現金で支払い、残りは自社の新株で賄う。テレックスはコネクレーンズの資本25%を保持することになる。

クレーンメーカーは部材納入メーカーや顧客企業に比べ経営規模が小さく、価格交渉力が弱い。このためコネクレーンズは他社買収を通した価格交渉力の強化を以前から目指しており、その一環でデマグ・クレーンズを10年に買収しようとした。だがこの時は、デマグ・クレーンズ株が高騰したため断念。デマグは翌11年、株式公開買い付け(TOB)でテレックスに買収された。

テレックスは14年、スクイズアウト(他の株主からの強制的な株式買い上げ)を実施してデマグ・クレーンズを完全子会社化し上場を廃止。デマグ・クレーンズをテレックスMHPSに統合した。

テレックスは昨年8月、コネクレーンズと合併合意した。だがその後、中国の大手建機・重機メーカー中連重科から買収提案を受けたため、コネクレーンズとの合意は宙に浮いていた。今回の合意によりテレックスMHPSをコネクレーンズに譲渡することを取り決め、合併合意を破棄した。今後は中連重科との交渉に入る。

中連重科が仮にテレックスMHPSも含めてテレックスを買収する場合、テレックスは違約金3,700万ドルを支払ったうえでコネクレーンズとの契約を破棄できる。同契約の破棄期限は今月末となっている。

上部へスクロール