自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)を株主のノルウェー政府系ファンド「ノルウェー政府年金基金」が提訴する方針だ。同社のディーゼル車排ガス不正問題で株価が下落し、損失を被ったためで、損害賠償の支払いを請求する。英『フィナンシャル・タイムズ』が16日報じた。
同ファンドは、VWの普通株1.64%を保有しており、排ガス不正発覚後の株価下落で数億ユーロ規模の損失を被った。VW経営陣が排ガス不正の事実を知っていながら公表しなかったと批判しており、適時開示義務違反を理由に損賠を請求する考えだ。
VWは同不正問題に絡んで2015年12月期に引当金162億ユーロを計上した。だが、機関投資家が独米で損賠訴訟を数多く起こしていることから、今後さらに積み増さざるを得なくなる可能性がある。