独化学工業会(VCI)は12日、独業界(製薬を含む)の2016年売上高見通しを引き下げた。下方修正は3月に続き2度目。独・欧州の景気が業界企業の想定を下回っているうえ、米国、中国、ロシア、ブラジルなど主要市場向けの輸出もこれまでのところ前年同期を割り込んでいるためだ。価格の下方圧力は強まっている。
VCIは昨年12月、業界売上高が16年は前年比1.5%増の1,936億ユーロに拡大するとの予測を発表したが、3月になって同0.5%増の1,910億ユーロに下方修正。今回さらに1%減の1,870億ユーロに引き下げた。景気低迷と石油価格の下落を受けて出荷価格の見通しを前年比マイナス0.5%から同マイナス2%へと大幅に下方修正したためだ。生産成長率は1%に据え置いた。
今年第1四半期(1~3月)の業界売上高は前期比で0.9%減となり、3四半期連続で落ち込んだ。生産高は2.2%増えたものの、出荷価格が1.3%下落したことが響いた。国内売上が1.2%、国外が同0.7%の幅で縮小した。工場稼働率は83.6%で、前期の83.8%をやや下回った。