連邦カルテル庁は5月24日、鉄道チケットの販売でドイツ鉄道(DB)が独占的な地位を濫用している疑いがあるとして進めてきた調査を打ち切ったと発表した。DBが提示した改善案を評価したためで、同庁のアンドレアス・ムント長官は「鉄道交通での競争にこれで新たな弾みがつく」との見方を示した。
DBには競合鉄道会社のチケット販売を不当に拒否したり制限したりしている疑いがあり、カルテル庁は2014年1月に調査を開始した。具体的には(1)DBが競合各社から受け取る販売代行手数料は競合がDBから受け取る同手数料よりも高い(2)競合企業はDBの長距離チケットを自社の自販機で販売できない(3)競合が駅にチケット売り場を設置しようとしても、DBと結ぶ賃貸契約の条項でチケット販売が実質的にできなくなっている――などの問題があった。
カルテル庁の調査開始を受けてDBは、同社が競合各社から受け取る販売代行手数料を競合が同社から受け取る同手数料と同額とするとともに、価格を大幅に引き下げることを提案。また、(2)の制限を廃止し、(3)についても競合が駅構内で自社のチケットを販売できるようにすることを確約した。
カルテル庁はこれを受け入れ調査を打ち切った。新販売ルールは23年12月末まで効力を持つ。