自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は7日、環境対応車の分野で中国同業の安徽江淮汽車(JAC)と提携することで基本合意したと発表した。電気自動車(EV)などの販売台数を大幅に増やす目標を実現するためには、世界最大の環境対応車市場となった中国で現地企業と提携することが不可欠と判断。JACと手を組むことにした。
合弁会社を設立してEVを中心に環境対応車の研究・開発、生産、販売を行うほか、モビリティーサービスも提供する考え。
VWはディーゼル車排ガス不正問題の発覚を受けて長期経営戦略「トゥゲザー」を策定。2025年までにEVを30モデル以上、開発し、販売台数で200万~300万台を達成する目標を設定した。このため、最大市場である中国の開拓は大きな課題となっている。
だが、同国では輸入した環境対応車に高額な関税が課されるうえ、新エネルギー自動車(NEV)法に基づく購入補助金も適用されない。VWはこうした事情を踏まえ、JACと提携する。
VWは中国でこれまで上海汽車(SAIC)、第一汽車(FAW)と提携して現地で乗用車を長年、生産してきた。それにもかかわらず環境対応車の現地合弁を両社でなくJACと設立するのは、JACがEVの生産・販売で高い実績を上げているためだ。JACのEV「iEV」は中国のNEV販売ランキングで4位につけている。