乗務員が防犯スプレー携帯へ、ドイツ鉄道の安全対策で

ドイツ鉄道(DB)が職員向けの安全対策を強化する。乗客などから暴行を受けるケースが増えているためで、乗務員に防犯スプレーと警報装置を携帯させるほか、警備員の巡回の際は警備犬を同伴させることを検討している。セキィリティ問題の統括責任者が明らかにした。

DB職員に対する暴行は近年、急速に増えており、今年上半期は前年同期比28%増の1,100件強に達した。職員は熱いコーヒーやつばを顔にかけられたり、ナイフで襲われるといったリスクにさらされており、労働組合も安全対策の強化を求めている。

DBは警備員にボディカムを装着させる試験プロジェクトを7月にベルリンで開始した。警備員は制服の胸の部分にボディカムを装着。画面にはライブ映像が表示されることから、警備員を威圧する乗客などはその画像を見ることになる。同プロジェクトを実施している駅では暴行件数が大幅に減っており、抑止効果が確認されている。

DBはまた、危険な状況に対処するための基礎トレーニングを全職員に受けさせることも計画している。警備員には格闘技の要素を含むトレーニングを受けさせる考えだ。警棒を携帯させることも検討中。

駅には持ち主不明の不審な荷物や窃盗の疑いのある人物を特定するソフト搭載の防犯カメラを設置する。警備員は500人増やして4,200人とする。

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