マティアス・ミュラー社長をはじめとする自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの主要役員は18日、本社所在地ヴォルフスブルクの国際自動車部品見本市「IZB」を訪問し、主要サプライヤーとの協力関係を拡大する方針を明らかにした。自動車業界のデジタル化に伴い製品開発、製造、販売のあり方が大きく変わると予想されるためで、同社の「FAST(フューチャー・オートモティブ・サプライ・トラックス)」プログラムに採用するサプライヤーを増やしていく。
FASTはVWが取引関係にある各サプライヤーとの関係を強化し、新製品開発で技術イノベーションとグローバル展開を加速することを目的に、2015年2月に立ち上げた戦略パートナーのプログラム。製品力や開発力、グローバルフットプリント、企業活動の透明性などの評価項目を基に選定される。これまでに61分野で計55のサプライヤーが選定された。
自動車業界はデジタル技術の本格導入で構造転換を迎えており、VWはこれまでのハードウエア企業から、ハード、ソフト、サービスを統合した企業へと進化する考えだ。それには開発から生産ネットワーク構築までの幅広い分野でサプライヤーとの関係を緊密化する必要があることから、FASTプログラムの参加企業を増やしていく。すでに新規選定に向けた協議を行っているという。