ブレーキ大手の独クノールブレムゼ(ミュンヘン)は7日、前日に終了したスウェーデン競合ハルデックスに対する株式公開買い付け(TOB)で株式71.2%を確保したと発表した。すでに保有している14.9%と合わせると86.1%に達し、TOBの成立条件とした50%超を大幅に上回っていることから、独禁当局が承認すれば買収は実現することになる。クノールは今回、同TOBの期限を来年2月28日まで延長することも明らかにした。
ハルデックスは商用車ブレーキメーカーであるため、クノールの買収は独禁当局から承認されない懸念もある。クノールのクラウス・デラー社長はこれに関して「当局とのオープンな話し合いを踏まえ、わが社は買収承認を得られると確信している」と述べた。
ブレーキは駆動系、操舵系とともに自動運転のカギを握る部品であるため、ハルデックスに対しては自動運転技術で主導的な立場を目指す独ZFフリードリヒスハーフェンもTOBを実施した。クノールは競り勝った格好だ。
ZFは同TOBに失敗したことから、保有するハルデックス株20.11%をクノールのTOBに応じて売却する。ただ、ZFのシュテファン・ゾンマー社長は「わが社はブレーキを諦めていない」と明言しており、何らかの方法で同分野の技術を獲得する考えとみられる。