DPD―食品宅配サービスをスタート―

独小包配達大手のDPD(アシャッフェンブルク)は16日、食料品の宅配サービス「DPDフード」を立ち上げると発表した。国内食品宅配市場は規模が小さく今後の拡大の余地が大きいことから、潜在需要を掘り起こせると判断した。まずは食品ネット通販ハロー・フレッシュ向けにサービスを開始。今夏にはさらなる食品通販事業者を顧客として獲得する見通しだ。

DPDがハロー・フレッシュに提供するサービスは◇顧客の消費者から受注した食料品をハロー・フレッシュが配達日の前日、断熱ボックスに入れてDPDに引き渡す◇断熱ボックスにはドライアイスが入っており生鮮品の鮮度を3日以上、保つことができる◇DPDは配達日の朝、配達予定時間(1時間単位)をSMSや電子メールで注文主に連絡する――というもの。注文主は配達車両の位置情報をネット上で追跡できることから、一回の配達で商品を引き渡せる確率が高まる。一定時間内に配達できなかった商品は慈善施設に寄付する。

ドイツでは大手スーパーのレーベが国内75都市で食料品の宅配サービスを展開。通販大手アマゾンはベルリンとミュンヘンで注文後2時間以内の急送サービスを行っている。両社とも保冷車を利用する。

これに対しDPDは全国すべての地域で配達を実施。また、保冷車の代わりにドライアイス入りの断熱ボックスを投入する。

市場調査大手GfKによると、独食品通販業界の売上高は11億ユーロで、食品販売市場に占める割合は約1%にとどまる。ただ、市場は拡大しており、2025年には70億ユーロに達する見通しだ。

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