自動車部品大手の独ボッシュは17日、最新の通信技術を用いたリアルタイム車車間通信の試験を中国メーカー華為技術、英通信大手ボーダフォンと共同で実施すると発表した。交通の流れを最適化するとともに、追突などの事故を少なくすることが狙い。アウトバーン(高速道路)A9号線のアラースハウゼン(ミュンヘン北部)にあるテスト区間で試験を行う。
ボーダフォンはテスト区間に通信網を敷設、華為技術は車両に無線通信モジュール、基地局に通信機器を提供する。ボッシュは通信モジュールと車載ソフトウエアを統合するほか、現地で測量を実施する。
テストではLTEをベースとしたコネクテッドカー向けの新たな無線通信技術「LTE-V2X」を用いる。LTE-V2Xを欧州で利用するのは今回が初めて。車車間通信では車両のスピード、位置、車線変更情報を各試験車両から半径320メートルの圏内でリアルタイムに伝達する。
まずは車線変更時の衝突事故防止を目的にテストを実施。後方から追い上げてくる車両が追突する恐れがある場合、ドライバーに警報を伝える。将来は前方車両の急ブレーキに対する警報についてもテストを実施する。