高級車販売でメルセデスが競合との差を拡大

独高級乗用車3社の2017年1-6月期(上半期)販売統計が12日に出そろった。ダイムラーの乗用車ブランド「メルセデス・ベンツ」とBMWはこれまでに引き続き過去最高を更新。メルセデスは2ケタ台の伸びを記録し、2位BMWとの差を広げた。アウディは過去最高となった前年同期を下回った。

メルセデスの販売台数は114万4,274台で、前年同期を13.7%上回った。中国が34.5%増の29万2,679台と大きく拡大。足元の欧州も8.9%の伸びを記録した。メルセデスに超小型車ブランド「スマート」を加えた「メルセデス・ベンツ・カーズ」の乗用車販売台数は前年同期比12.4%増の121万4,148台、スマートは4.9%減の6万9,874台だった。

「BMW」ブランドの販売台数は103万8,030台で、増加幅は5.2%だった。BMWに「ミニ」と「ロールスロイス」ブランドを加えたグループ全体の乗用車販売台数は5.0%増の122万819台となり、メルセデス・ベンツ・カーズをやや上回った。ミニは3.6%増の18万1,214台、ロールスロイスは6.5%減の1,575台だった。グループの電気駆動車販売台数は79.8%増の4万2,573台と大きく伸びた。

BMWとミニの合計販売台数を地域別でみると、中国は18.4%増加。メキシコを含むラテンアメリカも15.4%増と好調だった。欧州は2.2%増で、米国は4.1%減と振るわなかった。

アウディの販売台数は4.7%減の90万8,950台へと落ち込んだ。同社最大の市場である中国で12.2%減少したことが響いた格好だ。

背景には上海汽車(SAIC)と共同で現地に合弁生産会社を設立すると明らかにしたことがある。これを受けて、第一汽車(FAW)との現地合弁系のディーラーはアウディ車の取扱台数が減少すると懸念。抗議の意を示すために、輸入アウディ車の販売をボイコットしたことから、同国販売が大幅に落ち込んだ。アウディは5月に中国の販売代理店の代表と和解合意しており、6月に限ると同国販売台数は1.7%増加した。

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