独化学業界が生産・売上予測引き上げ

独化学工業会(VCI)は20日、同国化学・製薬業界の今年の売上高を前年比5%増の1,940億ユーロとし、従来予測の同3.5%増の1,912億ユーロから引き上げた。上方修正は3月、5月に次いで3度目。主要な国外市場の経済見通しが来年まで安定していることが大きい。生産成長率も従来の1%から1.5%へと引き上げた。クルト・ボック会長(BASF社長)は「国内・国外事業の見通しは(今年)下半期も良好だ」と明言した。

良好な経済環境を受け、業界企業の今年の国内設備投資は前年比6.7%増の約75億ユーロとなり、過去最高を更新する見通しだ。国外設備投資も5.8%増の84億ユーロへと拡大すると予想している。

今年上半期の業界生産高は前年同期を1.5%上回った。石油化学品・誘導体が3.5%減となった以外はすべて増加。増加幅は製薬で3.5%、無機化学品で3.0%、ポリマーで2.5%、ファイン・スペシャル化学品と洗剤・ボディケア用品・化粧品で各1.5%に上った。

出荷価格は需要増と石油価格の上昇を受けて平均3.5%上昇。業界売上高は5.0%増の969億ユーロへと拡大した。国外が5.0%増の594億ユーロ、国内が4.5%増の375億ユーロとともに好調だった。

上半期の工場稼働率は平均87%に達し、前年同期の83.9%を3.1ポイント上回った。

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