ドイツ連邦統計局が20日発表した10月の生産者物価指数は前年同月比の上昇率が2.7%となり、前月の同3.1%を0.4ポイント下回った。上げ幅の縮小は3カ月ぶり。同指数全体の27%を占めるエネルギーの上昇率が前月の4.6%から2.8%に低下したことが響いた。エネルギーを除いた上げ幅は2.7%で、前月を0.1ポイント上回った。
エネルギーでは電力の上昇率が4.1%で最も大きく、特別契約顧客向けでは6.4%に上った。石油製品は3.4%で、液化石油ガスは49.4%に達した。航空機燃料ケロシンは16.2%、灯油は4.1%、軽油は2.7%、ガソリンは0.5%。天然ガスは4.2%下落したものの、発電所向けは8.7%、製造業向けは4.4%上昇した。
中間財は4.1%増となり、生産者物価を最も強く押し上げた。上昇率が特に大きかったのは金属で11.0%を記録。圧延鋼は14.4%、非鉄金属は11.8%に上った。化学原料も4.6%高くなった。低下したのは貴金属(-4.6%)、繊維セメント製品(-2.9%)、電子部品(-1.1%)など一部の製品に限られた。
非耐久消費財は2.8%高くなった。食料品が4.2%上昇。バターでは上げ幅が60.2%に達した。このほか、牛乳(+26.2%)、砂糖(+9.8%)、マーガリン(+6.4%)、コーヒー(+4.7%)で上昇率が大きかった。
耐久消費財は1.2%、投資財は1.1%上昇した。
10月の生産者物価指数は前月比では0.3%増となり、4カ月連続で拡大した。エネルギーで0.5%、中間財で0.4%、耐久消費財で0.1%上昇。投資財は横ばい、非耐久消費財はマイナス0.3%だった。エネルギーを除いた生産者物価の上げ幅は0.2%で、前月を0.1ポイント上回った。