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2018/3/28

企業情報

アクゾノーベル―特殊化学部門を101億ユーロで売却―

この記事の要約

化学大手の蘭アクゾノーベル(アムステルダム)は27日、特殊化学部門を米投資大手カーライルとシンガポール国営ファンドのGICからなるコンソーシアムに売却すると発表した。取引金額は債務も含めて101億ユーロ。アクゾは昨年4月 […]

化学大手の蘭アクゾノーベル(アムステルダム)は27日、特殊化学部門を米投資大手カーライルとシンガポール国営ファンドのGICからなるコンソーシアムに売却すると発表した。取引金額は債務も含めて101億ユーロ。アクゾは昨年4月、株式公開買い付け(TOB)を通した米同業PPGインダストリーズによる同社買収を阻止するために、特殊化学部門の放出と巨額配当を株主に約束しており、今回の売却収入の大半を配当に充てる考えだ。当局の承認を経て売却手続きが完了すると、同社は塗料の専門メーカーとなる。年内の同手続き完了を見込んでいる。

今回の取引でアクゾは現金89億ユーロを受け取る。ここから売却に伴う費用を差し引くと同社の手元には75億ユーロがとどまる見通しで、その大部分を配当に回す。

アクゾは昨年3月、PPGから総額220億ユーロでの買収を提案されたが拒否。PPGはその後、買い取り価格を引き上げたものの、アクゾは買収が実現すれば競争上の問題から一部事業の売却を迫られるうえ、人員削減も行われるとして受け入れ拒否の姿勢を保つとともに、株主の支持を取りつけるために特殊化学部門の売却方針を打ち出していた。

特殊化学部門は売上高が49億6,300万ユーロ(2017年)で、同社売上の34%を占める。一部の株主はPPGの買収提案以前から株価を高めるために同部門を放出するよう要求していた。