ZF―自動運転EV合弁が来年から量産へ―

自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは6月26日、独アーヘン工科大学(RWTH)のスタートアップ企業、イーゴー・モバイル(e.GO Mobile)と共同設立した合弁イーゴー・ムーブ(e.GO Moove)で自動運転電気自動車(EV)の量産を来年から開始すると発表した。人員輸送と荷物輸送用の車両をそれぞれ生産する。

同合弁所在地のアーヘンで人員輸送用車両「ピープル・ムーバー」、荷物輸送用車両「カーゴ・ムーバー」を製造する。当初は年5ケタ台の車両を生産する考え。世界需要が年およそ100万台に上るとみている。

ZFは車載人工知能「ZF ProAI」とセンサーからなる自動運転システム、電気駆動装置、操舵装置、ブレーキを提供する。ZFが開発した自動運転システムを量産車に搭載するのは初めて。ZFのヴォルフ・ヘンニング・シャイダー社長は、自動運転車の普及は反復作業が多く走行環境が比較的単純な工場、物流施設、港湾や農業分野からまず始まり、その後、配達や乗客輸送に広がっていくとの見方を示したうえで、自動車だけでなく農機、建機にも部品・システムを供給する同社は大きなシナジー効果を引き出すことができるとの見方を示した。

イーゴー・モバイルはアーヘン工科大学のギュンター・シュー教授が2015年に設立した電気自動車開発のスタートアップ企業。シュー教授は10年にも、配達用電気自動車メーカーのストリート・スクーター(現在はドイツポスト子会社)を同僚と共同設立した経緯がある。

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