11月輸出横ばいに、先行き不透明感背景にブレーキ

ドイツ連邦統計局が9日発表した昨年11月の輸出高(暫定値)は前年同月比横ばいの1,163億ユーロにとどまった。営業日数と季節要因を加味した前月比では実質0.4%落ち込んでおり、輸出に陰りが出ている。独商工会議所連合会(DIHK)のフォルカー・トライヤー貿易部長は通商摩擦と経済制裁、通商条約を締結せずに英国が欧州連合(EU)から離脱する懸念の高まりが響いたと指摘。景気の先行き不透明感を受けて貿易活動にブレーキがかかっているとの見方を示した。

輸出はEU域外向けとユーロ圏向けがともに前年同月を0.4%下回り、足を強く引っ張った。EUのユーロ非加盟国向けは1.3%増加した。

輸入高(暫定値)は957億ユーロで、3.6%増加した。EU域外からが4.3%増加。ユーロ加盟国とEUのユーロ非加盟国からも各2.9%、3.3%伸びた。

貿易収支の黒字幅は205億ユーロで、前年同月を13.9%下回った。経常黒字も18.9%減の214億ユーロと大きく落ち込んだ。

1~11月の輸出高は1兆2,217億ユーロで、前年同期を3.7%上回った。ユーロ圏向けが5.2%増加。EUのユーロ非加盟国向けは3.4%増、EU域外向けは2.5%増だった。

1~11月の輸入高は1兆76億ユーロで、6.2%増加した。輸入先地域別の伸び率はユーロ加盟国が7.3%、EUのユーロ非加盟国が5.7%、EU域外が5.5%。

1~11月の貿易黒字は2,142億ユーロで、前年同期から6.7%減少。経常黒字も2.1%減の2,280億ユーロへと縮小した。第一次所得収支(対外金融債権・債務から生じる利子・配当金などの収支状況を示す収支)の黒字が拡大し、二次所得収支(居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支)とサービス収支の赤字が減少したものの、貿易黒字の落ち込みが大きく、経常黒字幅が縮小した。

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