東レは1月下旬、独ミュンヘン近郊で「オートモーティブセンター欧州(以下「AMCEU」)」の開所式を行った。環境規制で先行する欧州で、同社の自動車向け高機能素材、先端技術を活かしたグリーンイノベーション事業を拡大するための技術開発拠点として事業を展開していく。
AMCEUは2階建てで、床面積は延べ3,400平方メートル。設計、成形・加工、評価設備のほか、ショールームや商談室を備える。
自動車業界は車両の電動・IoT化など大きな転換期を迎えている。これを受けて新たな部材や高性能な素材のニーズが高まっている。
東レはこうした動向に対応する体制を整備しており、顧客へのワンストップサービスを事業横断的に提供するための代表窓口である自動車材料戦略推進室を2006年に開設した。08年には技術サイドの窓口であるオートモーティブセンター(AMC)を名古屋に設立。グループ内の全営業部署、技術・研究部署、関係会社と連携することで、総合的なソリューション提案ができる仕組みを構築した。
AMCEUでは同ソリューション提案を欧州の顧客向けに提供する。具体的には初期設計・構想の段階から顧客の開発事業に参画。解析、成形、加工技術の開発や欧州独自の新たな用途開発にも取り組んでいく。